第4 回目 「ピント」って何だろう ?

似顔絵 写真でいうピントは「焦点」のことで、通常、画像がシャープに写るかどうかを意味します。しかし、ピントの合っていない写真に感動してしまったり、あるいは “話のピントがズレている” などという具合に日常会話で使うこともあって、ピントの意味を深く考え出すとどんどんとりとめが無くなってきます。
 今回は、カメラでピントを合わせるとはどういうことなのか、そしてどのようにすればピントばっちりの写真が撮れるのかを整理します。

1. ピントとは何か ?

 ピントを漢字で書くと、焦点ですね。2 回目に実験したように、虫眼鏡のレンズで太陽光を一点に集め黒い紙などを焦がすことからすれば、まさに “焦げる点” であって、本当に見事な命名だと思えます。
 ではピントは何語かというと、これは 1 回目に少し紹介したようにオランダ語の “brandpunt” が語源のようです。”燃える” とか “火” を意味する “brand” と、”点” を意味する “punt” が合体した単語で、要するに “焦点” なわけです。ですから、江戸時代の蘭学者がこの単語を意訳すれば “焦点” になり、簡略に音訳すれば “ピント” となるような気配を感じます。
 翻って、英語はどうかというと “focus” で、こちらも実は “火” や “カマド” を意味するラテン語の “focus” が語源のようです……。

 ここでは、まずピントの基礎的な意味を理解し、ピントを合わせるためにカメラは何をしているのか ?、撮影者は何をすればよいのか ? を整理します。

1.1. ピント面と被写界深度

図 1.

 まずは、右のイラスト「ピント面と被写界深度」を見てください。
 写真レンズの距離リングの目盛りを 1メートル に合わせた場合のピントの合い方を簡単に示したものです。
 この場合、最良のピントが合う場所はカメラ(厳密にはフィルム面)から 1メートル 離れた平面です。これをピント面(焦点面)といいます。つまり、この平面にある被写体には全て最良のピントが合います。
 レンズの距離リングを操作・調整することで、この平面が遠くなったり近くなったりしますが、基本的には斜めになったり曲がったりするようなことはありません。

 さて、このピント面からズレた位置にある被写体はピンボケで写ります。大きくズレればズレるほどボケの大きさも大きくなりますが、ピント面から少ししかズレていない位置ではボケの大きさは極めて小さく、人の眼ではピントが合っているように見えます。このピントが合っていると見倣(みな)せる範囲を「被写界深度」といいます。
 被写体の前後の「被写界深度」の深さ(範囲)は、1)レンズの焦点距離、2)絞り、3)被写体との距離(撮影距離)の三要素とその組み合わせによっても変わります(詳しくは第 6 回目に紹介します)。


1.2. ピント合わせの仕組み

 無限遠(∞)→、1.5 m →、0.45 m と、被写体に近づいて動いてきてもらいながら撮影した写真です。レンズの長さの変化(繰り出し)に注目してください。
 また、上のイラスト「ピント面と被写界深度」とも見比べながら、背景のボケの変化を観察してください。

写真1.a.
写真1.b.
写真1.c.
写真1.d.

無限遠(∞)

写真1.e.

1.5 m

写真1.f.

0.45 m

 前述したように、ピントを合わせたい被写体までの距離を実際に計って、レンズの距離リングの目盛り(=ただし正確であることが前提)をその計測値に合わせることで、被写体に最良のピントが合うはずです。
 では、レンズの距離リングを調整すると、レンズの何が変わるのでしょうか ? 手元にレンズがあったら、レンズの距離リングをぐるぐる回してみてください。何が変わっていますか ?

 ほとんどのレンズの場合には、単純にレンズ(あるいは鏡筒)の長さが変化していくことが判るはずです。基本の基本は、2 回目で紹介した虫眼鏡のレンズで写真を撮るのと全く同じなのです。
 無限遠(∞)の被写体を撮る場合にはレンズ(厳密にはレンズの主点)とフィルム面との距離を焦点距離に等しくすればよく、被写体が近くなるごとにレンズ全体を繰り出してフィルム面との距離を長くすればよいのです。
 カメラのピント合わせには、さまざまな仕組みのものがありますが、最終的にはレンズとフィルム面との距離を変えるのが基本です。そうすることで、ピント面の位置を変化しているわけです。

 ただし、ズームレンズや望遠レンズの中には、レンズの距離リングを回転しても、一見レンズ(あるいは鏡筒)の長さが変わらないタイプが多くあります。これらはインナーフォーカス(ニッコールレンズの型式名称では <IF> の文字が付されています)方式と呼ばれるもので、レンズの前部(前群)はそのままにして、後方の比較的小さなレンズ(群)だけを動かしてピント位置を調整するものです(メーカーによって、そして移動するレンズ群の位置によっては、インターナルフォーカスとか、リアフォーカスとも呼びます)。

 レンズを構成する全群を繰り出すことでピントを調整するオーソドックスなレンズと比較すると、<IF>レンズの光学設計は大変困難ですが、ピントを調整してもレンズの長さが変わらず重心位置もあまり移動しませんし、さらに距離リングを操作しやすい手元に配置できるうえに、ピント合わせに要する力も少なくて済みます。このため、口径の大きなズームレンズや望遠レンズ、特にAFレンズに競って採用されています。

2. ピントを合わせる方法

 一般的な一眼レフでは、フィルムに写る画像と同じ映像をレフレックスミラーで反射して直接的にファインダースクリーン上で観察できます。ですから、被写体との距離をいちいち計らなくても、被写体のファインダー像がもっともシャープに見えるように、レンズの距離リングを操作してやればいいわけです。
 これが、マニュアルフォーカス(MF)一眼レフカメラでのピント合わせです。

 そして、ファインダー像に写る画像と同じ画像をレフレックスミラーから分光し、電気的に検出して最もシャープに見える位置にレンズの距離リングを自動的に回転するのが、一般的なAF一眼レフのAF機構です(もちろん距離リングが回転しないレンズもあります)。検出方法などにはさまざまなハイテクが駆使されています。
 しかしながら、いかなるハイテクが駆使されていても、最良のピントはピント面にしか合いません。そして、画面の中のどこにピントを合わせるかは、結局のところ写真を撮る人が決めなければならないのです。写真が “名作” になるように、ピントを合わせる被写体まで自動的に決定してくれるような便利なカメラは存在しません。

 ここでは、一眼レフカメラを使う上での基本的なピント合わせの方法を簡単に整理します。

2.1. AF一眼レフの場合

 AF一眼レフは、ファインダーの中心部などに見えるフォーカスエリアにある被写体がシャープに写るように自動的に作動します。これが基本です。
 ただし、フォーカスモードの選択によって、その機能の仕方が異なります。撮影目的にあわせて、選択してください。

2.1.1 [S] シングルAFサーボ(名称はメーカーによって異なります)

 被写体をフォーカスエリアに捉えて、シャッターボタンを半押しにするだけでカメラがピントを合わせて、その位置でフォーカスロックします。
 フォーカスがロックできるまでシャッターは切れませんが、シャッターボタンを半押しにした状態で構図を変化することができます。
 静止した被写体などを自由な構図で撮影するのに便利です。

2.1.2. [C] コンティニュアスAFサーボ(名称はメーカーによって異なります)

 シャッターボタンを半押しにしている間は、継続的・連続的にフォーカスエリアにある被写体にピントを合わせ続けます。
 そして、フォーカスエリアにピントが合っていようがなかろうが、シャッターボタンを全押しにすれば、いつでもシャッターが切れます。
 動いている被写体の撮影やシャッターチャンスを優先したい場合には便利です。

 ちなみに、「ニコン F60D パノラマ」、「ニコン U」、「ニコン Us」、そして、「ニコン プロネア S」には、[S] と [C] の特長を組み合わせた「オートAFサーボ」を搭載しています。
 これは、被写体が静止しているか動いているかをカメラが判断し、静止した被写体には [S] でピントを合わせるのでフォーカスロックが使えます。静止した被写体が動き出すと [C] に切り換えて、ピントが合ったらシャッターを切ることができます。

2.1.3. [M] マニュアルモード

 ファインダースクリーン像を観察しながら、自分でレンズの距離リングを操作します。
 フォーカスエリアにある被写体と、距離リングの調整のズレが三角マークなどで、合焦が●マークで表示される機種では、それらを参考にしてピント合わせをすること(フォーカスエイド、FA)も可能です。

 ちなみに、ニコンの超音波モーター (SWM) 内蔵のニッコールレンズ(AF-S Nikkor)群は、リング形状の超音波モーター内蔵レンズなのに、”MF” のためにボディから供給する電力を消費することはないという、アタリマエのようで当たり前ではない特長があるそうです。

2.1.4. その他の機能

 「ニコン F5」、「Nikon F100」、「Nikon F80」シリーズ、そしてデジタル一眼レフカメラ 「Nikon D1」シリーズ、「Nikon D100」などでは、フォーカスエリアが画面中心部とその周囲に 5 か所配置してあり、それらのどれにピントを合わせるかを、撮影者がフォーカスエリアセレクターで選択すること(シングルエリアAFモード)が可能です。
 また、5 か所のフォーカスエリアで検出した情報を活用することで、ピントを合わせたい被写体が突然動いた場合にも対応できる機能(ダイナミックAFモード)なども備えています。


写真2.

<写真 2.>
F100 の
フォーカスモード
セレクトダイヤル

写真3.

<写真 3.>
F5 の
AFセンサー配置
(イメージイラスト)

写真3a.

<写真 3.a.>
F5 の
フォーカスエリアセレクター

写真4.

<写真 4.>
F100 の
AF-L(AFロック)ボタン

使い方のコツ その1:AF がうまく作動しないケース

被写体が暗い場合、あるいは青空や白壁のようにノッペリした被写体の場合には、画像をうまく検出できず、AFが正常に機能しません。
 こうしたケースでは、MF でピントを合わせるか、フォーカスロック機能を使います。

使い方のコツ その2:フォーカスロック機能を使う

オートフォーカスでは、ピントを合わせたい被写体をフォーカスエリア(=ほとんどのAF一眼レフでは画面中心部にあります)に位置させるのが基本です。
 画面の端の部分にピントを合わせたい場合には、フォーカスロック機能を使います。
 [S] シングルAFサーボでは、シャッターボタンを半押しにするだけです。
 [C] コンティニュアスAFサーボでは、AF-L(AFロック)ボタンを操作します。

 これらが基本的なところでしょう。機種によっては、さまざまな機能がついていますので、撮影目的などに合わせてセッティングして上手く活用してください。

2.2. マニュアルフォーカス一眼レフの場合

 基本的には、前述したAF一眼レフのマニュアルフォーカシングと同様で、ファインダースクリーン像を自分の目でしっかり見て、被写体がシャープに見えるようにレンズの距離リングを調整するだけです。
 しかし、なかなかこれが難しいもので、慣れも必要ですし、あるいは忍耐も必要だったりします。

 MF一眼レフの一般的なファインダースクリーンは、マット面の中心部に更にスプリットイメージ and / or マイクロプリズムがついていますから、それらを観察することでピント合わせが比較的簡単にできます。
 これらは、オートフォーカスでいうフォーカスエリアのようなものですので、構図を工夫したい場合などでは、まずこの部分でピントを合わせてから構図を変化するようにします。
 ある程度慣れれば、画面周辺のすりガラス状のマット面と呼ばれる部分でも、ピント合わせをすることができますが、特に広角レンズ(焦点距離が短いので被写界深度が深い)の場合にはピント合わせは難しいものです。

写真5.a.

<写真 5.a>
New FM2 のファインダー内


図2

<図 2.>
New FM2 の交換可能なファインダースクリーン
左:スプリットマイクロ式(K2型:標準装備)、
中央:マット式(B2型:別売)、
右:方眼マット式(E2型:別売)

 ピントが良く判らないような場合には、レンズの距離リングをはじめは大きく交互に左右に回転し、ピント面の位置を大きく前後にズラしながらファインダースクリーンを注視し、すこしづつその範囲を狭めていくのがよい方法です。

2.3. ピント合わせに便利なアクセサリー

2.3.1. 接眼補助レンズ

写真6.

 一眼レフには接眼補助レンズ(<写真 6.>:右)と呼ばれるアクセサリーがあり、自分の眼の視度にあったレンズを接眼部に装着・使用することでファインダー像がよりはっきりシャープに見えるようになります。
 近視の人はマイナス表示のレンズを、老眼(遠視)の人はプラス表示のレンズを使います。数字が大きいものほど、視度が強いことを意味しています。単位はディオプターで眼鏡の度数と同じですが、これらはボディの光学系と合成した値です。

 自分の眼に合わせるためには、店頭などでカメラに実際に付けて選ぶ必要があります。そんなに高価なものではありませんから、視度の異なる数種類を揃えておいてもいいように思います。そうすれば自分の眼のコンディションにも合わせられるのではないでしょうか ?


写真7.

 一方、ニコン F5、F100、F60Dパノラマ、F80シリーズ、U、Us、プロネア S などは、視度調節機構を予めファインダーに内蔵しています。
 ファインダー内の表示がもっともよく見える状態まで操作ノブ(<写真 7.>:左)または、スライド式の操作レバーを動かして調整しておくことで、ピントなども楽に観察することができます。
 強度の近視ないし遠視で、ファインダー内蔵の視度調節機構ではカバーしきれないときには、前述の接眼補助レンズを併用します。

 残念なことに、乱視は補正できません(乱視の強さに応じたカマボコ状のシリンドリカルレンズを、クリックストップつきの回転枠にはめ込んだ “乱視補正レンズ” はできないものでしょうか ?)

2.3.2. アングルファインダー

写真8.

 地面に近い花の接写や複写などでは、カメラの位置の制約のためにファインダー像がうまく観察できません。

 ニコン F5、F3シリーズのような、ファインダーが交換できる機種ではこうした場合には、ウェストレベルファインダー、高倍率ファインダーに交換すると便利です。

 ファインダーが交換できない機種では、ファインダー接眼部にアングルファインダー(<写真 8.>は、アングルファインダー DR-4 (DK-12付き))を装着すれば、カメラの上方などからファインダー像を観察できます。

2.3.3. マグニファイヤー

写真9.

 超望遠レンズを使用したり、接写などでより厳密なピント合わせをおこないたい場合には、ファインダーが交換できる機種では、高倍率ファインダーに交換します。

 ファインダーが交換できない機種では、マグニファイヤー(<写真 9.>は、マグニファイヤー DG-2)
を接眼部に装着して使用します。これは画面の中心部だけを拡大して観察できるルーペのようなものです。蝶番が付いている商品であれば、画面全体を見る時は簡単にハネノケできます。

3. もっと近づきたい ! 接写の方法

 全ての写真レンズには、ある程度近づくと、ピントが合わなくなる限界があります。この距離(=フィルム面から被写体までの距離)のことを最短撮影距離といい、レンズの基本性能の一つとしてカタログなどにも記されています。
 余談ですが、デジタル(スチル)カメラでは、レンズ前端からの被写体までの距離を最短撮影距離として公表しているケースが多いようです。

 もともと接写用に設計されたマイクロレンズ(ニコン以外ではマクロレンズと呼びます)を使用すれば、一般的なレンズよりもさらに近づいて撮影することができ、至近距離でも良い画質の写真を得ることができます。
 しかし、それだけでなく、一般的なレンズでもっと近寄って撮影することも可能です。そうした方法を簡単に紹介します。レンズとアクセサリーとの組み合わせによっては、多少画質が低下したりすることもありますが、実用的にはそんなに問題になることはありません。画質の低下を最小限に抑えたい場合には、組み合わせと組み合わせ順などに注意してください。

写真10.a.

<写真 10.>AI AF 50mm F1.8S レンズの最短撮影距離(45センチ)で撮影
(以下の作例写真では全て同レンズをアクセサリーと組み合わせて使用)

写真10.b.

3.1. クローズアップレンズ

写真16.

 単純に言ってしまえば凸レンズで、いわばカメラのレンズにかける老眼鏡のようなものです。
 一般に、カメラメーカーの純正のタイプは、画質の低下を最小限にするような設計を施しているとされています。
 合成焦点距離やアタッチメントサイズ径(ニコン以外ではフィルター径とも呼びます)の異なるタイプがありますので、必要に応じて選択します。
 ニコンのクローズアップレンズでは、番号(No.)の大きな商品ほど、より接写ができます。

 クローズアップレンズのメリットとして、自動絞り機構、オートフォーカスなどの機能はそのまま使えることが挙げられます。なお、焦点距離の長い望遠レンズの方が大きな効果を得られます。


写真11.a.

<写真 11.>クローズアップレンズ(No.1)+ AI AF 50mm F1.8S

写真11.b.

 クローズアップレンズがなくとも、手直なところでは、虫眼鏡をレンズの前にぴったりくっつけて撮影するだけでも、ずいぶんな接写が可能になります(この場合には、MFで試してください)。

3.2. 接写リング(中間リング / エクステンションリング)

写真17a.

 前述したように、レンズ全体をフィルム面から遠ざければ遠ざけるほどに、近い被写体にピントを合わせることができます。
 そこで、レンズとボディの間に中空のリング(接写リング)を挟み込むことで、レンズの繰り出し量をより大きくして接写を可能にするわけです。

 長さの異なるタイプが幾つかあり、組み合わせて使うこともできます。


写真12.a.

<写真 12.>オート接写リング PK-13 + AI AF 50mm F1.8S

写真12.b.

 接写では、接写の度合いが大きくなる(=撮影倍率が高くなる)と画像が暗くなっていきますから、ピント合わせとブレなどには十二分な注意が要ります。

3.3. ベローズアタッチメント

 カメラボディとレンズの間を、伸縮自在の蛇腹を使ってつないで、レンズを連続的により大きく繰り出すことができるアクセサリーです。
 自在な接写が可能になるのはもちろん、スライド複写装置(ex. ニコン スライド複写装置 PS-6)などと組み合わせることでポジフィルムの複製(デュプリケート、デュープ)を作成することもできます。

写真13.a.

<写真 13.>ベローズアタッチメント PB-6 + AI AF 50mm F1.8S

写真13.b.

 後述のリバースアダプターと組み合わせて使用することで、画質の良い拡大撮影も可能になります(<写真 14.b.>参照)。使い方は少し厄介ですが、そんなに面倒というものではありません。

3.4. リバースアダプター

写真17b.

 一眼レフ用の標準〜広角レンズを、ボディに逆向き(=リバース)に付けるだけで、驚くような接写が可能になります。試しに広角レンズを手で持って、ボディに逆向きにそっと押し当てて、ファインダー像を観察してみてください……。
 これは、これらのレンズの主点がレンズ後方にある光学系(=レトロフォーカスタイプ)であるために、レンズを逆にすることで、レンズを余分に繰り出したような効果が生じるからです。

 リバースアダプターは、レンズの前枠のアタッチメント(フィルターなど)取付用のネジ溝を利用して、マウント部を取り付けるアクセサリーで、ニコンの商品では「BR-2A リング」がそれです。  ただし、レンズを逆につけるとピント合わせができなくなりますから、カメラの位置を動かしてピントを合わせなければなりません。さらにほとんど全てのオート機能は使えなくなります。
 前述したベローズアタッチメントと併用すればピント合わせが容易になり、さらに大きく拡大して撮影できるようになります(<写真 14.b.>参照)。


写真14.a.

<写真 14.a.>
リバースアダプター(BR-2A リング)
+ AI AF 50mm F1.8S

写真14.b.

<写真 14.b.>
ベローズアタッチメント PB-6
+ BR-2A リング + Ai AF 50mm F1.8S

 この場合には、レンズを逆向きにセットすることで、レンズの先端と被写体との間の距離(ワーキングディスタンス)を長く取ることができたり、また良い画質の拡大画像を得られる効果もあります。

 さて、今回はこのへんで終わりにします。「ピントはAFカメラが自動的に合わせてくれるもの」と信じている人は多いかもしれませんが、結局は人が合わせるものなんです。特に接写の場合は、いろいろなやり方があり、それぞれにさまざまな個性があります。小さな物を大きく写すだけでも、相当楽しいものですよ。ぜひ試してもらいたいところです。
 そして、最後に付け加えておきたいのは、ピントが合っていない写真にも、妙な味わいというのがあるということ。ピンボケの写真だから駄作だというわけではありません。もっと自由に写真を楽しんでもらいたいとおもいます。

]]>