デジタル一眼レフ入門

6.露出モードを使い分けよう!

1. ごあいさつ

ごあいさつ

露出モードは、初心者にとってはとっつきにくいと感じていませんか。コマンドダイヤルには文字やいろいろなイラストが並んでいますがAUTO以外のモードを試す機会は少ないのではないでしょうか。今回は、露出についての理解を深めるために、絞りやシャッタースピードなどの知識を織り交ぜながら、露出モードの使い分けについてご紹介しましょう。

2.露出モードを切り換えてみましょう。

似顔絵

 カメラを買った時からずっと、露出モードダイヤルをAUTOに設定したまま使用している方も少なくないと思います。まず、これを他のモードに切り換えて何が変わるかを確かめるところから始めます。他のモードに切り換えても、AUTOに戻すだけで、今まで通りの撮影ができますので安心してください。

AUTOでの作動を確認しましょう。

 AUTOモードは、カメラのほとんど全ての設定を、カメラが自動的に行うモードです。つまりAUTOモードでは、設定できる内容が限られます。
 D50のメニューでは、ノイズ除去、画質モード、画像サイズを設定できます。ただ、ホワイトバランスやISO感度なども自動設定されてしまい、変更することはできません。さらに、第5回で紹介した、露出補正も設定できません。

 AUTOモードでは、写真写りのバリエーションが少ない代わりに、搭載されているのが、それぞれのイメージのアイコンで示されている「デジタルイメージプログラム」モードです。これらは、イメージに合った写りになるよう、カメラが各種の設定を自動調整する便利な機能です。

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露出モードダイヤルをAUTOやデジタルイメージプログラムモードに設定すると、

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メニューで設定できる内容は限られます。

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露出補正(写真の明るさ)も設定できません。

P、S、Aモードに設定してみましょう。

 露出モードダイヤルを、P、S、Aに設定すると、メニュー内で設定できる項目が増え、露出補正もできるようになります。
 つまり、これらのモードに設定することで、カメラに搭載されたさまざまな機能を使えるようになるわけです。機能が増えた分難しく感じられるかもしれませんが、とりあえずメニュー内の設定をいじる必要はありません。露出補正だけ行えば十分です。
 ちなみに、Pは「プログラムモード」、Sはシャッター速度の略で「シャッター優先モード」、Aはレンズ口径を意味するアパチャーの略で「絞り優先モード」と呼ばれます。
 (メニュー内の全ての項目を表示するには、「セットアップメニュー」内の「メニュー表示切り換え」を「アドバンストメニュー」に設定します。)

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PSAモードに設定してみると・・。

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メニュー内の設定項目のほとんど全てを使えます。

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露出補正も可能になります。

Mモードにしてみましょう。

 Mは、手動を意味するマニュアルを意味しています。Mモードでは、メニューで設定できる内容は、P、A、Sモードと同じですが、露出補正ができなくなります。
 その代わり、コマンドダイヤルや露出補正ボタンなどを使うことで、絞りやシャッタースピードの値をそれぞれ単独に設定できるようになります。これらの設定方法は、機種によって異なりますので、使用説明書で確認してください。
(カスタム設定で、ユーザーにとって使いやすい操作方法に変更することも可能です。)

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Mモードに設定すると・・。

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露出補正ボタンを押しながらコマンドダイヤルを回転すると、絞り値(Fナンバー)が変わります。

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コマンドダイヤルを回転すると、シャッター速度の値が変わります。

3.絞りとシャッターを感じてみましょう。

似顔絵

 シャッター速度や絞りを理解するには、設定する数値とつきあわなければなりません。でも、数字が苦手な方、ご安心を。数字の大小だけわかればいいのです。
 ここでは、Mモードなどに設定して、シャッター速度と絞りの値を変えることで、カメラの何が変わるのかを、目と耳で感じてみましょう。

シャッター速度とは何か?

 シャッター速度とは、撮像素子の前にあるシャッターが開いている時間の長さを指します。撮像素子に光が当たっている時間、つまり写真が撮れている時間の長さです。
 シャッターそのものが動く速度ではありません。
 シャッターボタンを押すと「音」が聞こえて写真が撮れることは誰もが知っていますが、この音はシャッターが開く前後にボディ内のミラーが上下している音なのです。
 とりあえずは、この音に耳をそばだててみましょう。

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シャッター速度の表示「60」は、1/60秒だけシャッターが開いている意味です。

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カメラに耳をつけると、かなり大きく聞こえます。

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シャッターが開くと、撮像素子に光が当たって写真が撮影できます。

シャッター速度を変えてみましょう。

 Mモード(もしくはSモード)でシャッター速度の値を変えると、数値が変わります。
 D50の場合、一番大きな数値は4000で、これは1/4000秒を意味しています。つまり、恐ろしく短い時間だけシャッターが開く設定です。
 順次、数値を小さくしていくと、2(1/2秒)になり、次は、1”(1秒)、2”(2秒)と秒単位になります。さらに動かしていくと、最後にbulb(バルブ)と表示されます。バルブとは弁の意味で、シャッターボタンを押している間、ずっとシャッターを開きっぱなしにできます。
(Sモードでシャッター速度を大幅に変えると、絞り値(Fナンバー)の表示が、HIやLOになります。これは、絞りでの調整範囲を超えたという意味です。HIでは露出オーバーに、LOでは露出アンダーになることも確認しておきましょう。)

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LO表示は、調整範囲を超えたため露出アンダーになるという警告です。4000は、シャッターが1/4000秒だけ開くという意味です。

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HI表示は、調整範囲を超えたため露出オーバーになるという警告です。1”の「”」は、秒を意味しています。

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bulbは、シャッターボタンを押している間ずっとシャッターが開いたままになります。

絞り値(Fナンバー)で何が変わる?

 次に、Mモード(もしくはAモード)で絞り値(Fナンバー)を変えてみると、何が変わるか見てみましょう。
 レンズを覗き込みながら、シャッターボタンを押してみてください。シャッターが切れる一瞬、レンズの中に「孔」のようなものが現れます。この孔を「絞り」といいます。速すぎて観察できない場合は、シャッター速度を遅く設定してください。
 さて、絞り値(Fナンバー)の数値を小さくすると孔が大きくなります。逆に数値を大きくすると、孔が小さくなることだけ確認しておきましょう。数値と孔の大きさは反比例することに注意が必要です。

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絞り値(Fナンバー)の数値を変えてみます。

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数値を小さくすると孔が大きくなります。

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数値を大きくすると孔が小さくなります。

4.S、A、Pモードを使い分けましょう。

似顔絵

 Mモードは、シャッター速度と絞りの両方を設定することになります。しかし、S、A、Pモードを使えば、Mモードのように面倒な操作をしなくても、写真の写り方をさまざまに変えた撮影が可能になります。
 もちろん、AUTOとは違い、露出補正機能で写真写りの明るさ暗さを自由に調整したりできるのも特徴です。

Sモードを使ってみましょう。

 Sモードは、シャッター速度を決めることで、被写体のブレを調整できます。ブレの大きさは、被写体の動きの速さやレンズの焦点距離などによっても変わりますから、設定を大幅に変えて試し撮りをしてみてください。
 シャッター速度の設定に伴い、絞り値をカメラが自動的に調整しますので、写真写りの明るさはAUTOと同じです。もちろん、AUTOと違い露出補正機能で写真写りの明るさ暗さを調整できます。

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Sモードは、ブレを調整するのに適しています。

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シャッター速度を速くすると、一瞬が止まって写ります。


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シャッター速度を遅くすると、ブレを活かして動きを表現できます。

Aモードを使ってみましょう。

 Aモードは、絞り値を決めることで、背景のボケ方を調整できます。
 もちろん、写真写りの明るさが変わらないよう、カメラはシャッター速度を自動で調整します。適切な明るさになるよう露出補正を行いましょう。
 絞り値(Fナンバー)を大きくすると、背景にもピントがあったように写ります。逆に絞り値(Fナンバー)を小さくすると、背景が大きくボケます。
 背景にもピントを合わせるには広角レンズが向いています。逆に背景を大きくボカすには望遠レンズが向いています。

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Aモードは、背景のボケ方を変えるのに適しています。

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絞り値(Fナンバー)を大きくすると、背景にもピントが合っているように写ります。

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絞り値(Fナンバー)を小さくすると、背景が大きくボケて写ります。

Pモードも使いようです。

 Pモードは、シャッター速度や絞り値の組み合わせをカメラが自動的に設定するモードです。
 このため、そのまま撮影すると、ブレやボケを調整することはできません。しかし、プログラムシフト機能を使うことで、写真の明るさを同じにしたまま、シャッター速度と絞り値の組み合わせを自由に変えることができます。
 操作は簡単、コマンドダイヤルを回転するだけです。この機能を使えば、PモードもSやAモードと同じように使いこなすことができます。しかも、SモードでのHIやLOといった失敗がありません。

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Pモードに設定すると・・・。

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シャッター速度の絞り値の組み合わせが自動的に決まります。

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プログラムシフト機能を使えば、写真の明るさは同じまま、組み合わせを自由に変更できます。

最後に

似顔絵

 露出モードを切り換えることで、AUTOでは撮れない自在な写真表現を楽しむことができます。しかし、なんとなくハードルの高い機能と思われることも確かでしょう。いきなり本番撮影というのではなく、手近な被写体で試し撮りを何度も繰り返して、感覚をつかんでください。この時、できるだけ設定を大幅に変えるほうが、理解が速いはずです。

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