デジタル一眼レフ入門

7.色を変えてみよう!

1. ごあいさつ

ごあいさつ

デジタルカメラはできるだけ見た目どおりの色に写るように設計されていますが、撮影する光の条件によっては、見た目と異なる色になることがあります。「ホワイトバランス」を使えば、こうしたトラブルを解消できます。そして次に、被写体の種類や撮影目的にあわせて、見た目以上のきれいさで写せる「仕上がり設定」についても理解を深めておきましょう。これらを使いこなせるようになるだけで、ワンランクアップのイメージになること請け合いです。

2.デジタルカメラは、色を調整しています。

似顔絵

 ホワイトバランス機能は「WB」と略され、通常はオート(AWB)に設定されています。このため、ユーザは特別な操作をすることなく、ごく自然に見える色の写真を撮影することができます。

AWBで始めましょう。

 私たちの目には「順応」と呼ばれる性質があり、白い物を常に白として認識しようとします。デジタルカメラのAWB(オートホワイトバランス)は、こうした目の「順応」を電子的に行う機能です。このため、ほとんどのシーンで、見た目に近い色再現になります。
 下の写真は、AWBに設定したまま、同じ被写体を異なる光で撮影したものです。被写体の色などによっても結果は異なりますが、AWBは、太陽光や蛍光灯照明では、かなり見た目に近い色再現になります。
 ただし、電球照明の下では、橙色に偏るように作られています。これは、電球照明の橙色が暖かみを感じさせ、好ましい印象を与えることが多いからです。

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太陽光で撮影。見た目に近い色ですが、ほんのり赤が強い感じがします。

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蛍光灯(昼白色)で撮影。たいへん見た目に近い色です。

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電球照明で撮影。橙色に偏っています。

ホワイトバランスを操作してみましょう。

 手元のカメラでこのホワイトバランス機能を操作してみましょう。ニコンDシリーズでは、メニューボタンから呼び出す方法と、コマンドダイヤルで切り換える方法の二通りがあります。どちらか使いやすい方で操作してください。
 ホワイトバランスは、太陽光、電球、蛍光灯、スピードライト、曇り、晴天日陰など、光の種類を選ぶようになっています。

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メニューボタンからホワイトバランスを呼び出します。

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セレクターボタンで選択します。

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ボディ背面の「WB」ボタンを押しながら・・・。

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コマンドダイヤルを回転すると、スピーディに選択できます。

ホワイトバランスの設定を変えてみましょう。

 次に、同じ被写体を同じ場所で、ホワイトバランスの設定だけを変えて撮り比べてみましょう。
 ボタン操作をするだけで、写真の色が変わることがわかるはずです。とりあえず難しく考える必要はありません、設定を変えて自分がいいな、と思える色で撮影することから始めればよいのです。
 以下の作例は太陽光の下で撮影しながら、ホワイトバランスの設定を変えたものです。
太陽光モードに設定すると見た目どおりの色になりますが、これ以外の設定にすると作例のような色の変化を楽しめます。つまりホワイトバランスは、電子的に色フィルターを加えていると考えれば分かりやすいです。

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「電球」に設定。強い青に偏りました。

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「蛍光灯」に設定。マゼンタに偏りました。

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「晴天日陰」に設定。橙色に偏りました。

3.ホワイトバランスを使いこなしましょう。

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 ホワイトバランスは、電子的に加える色フィルターのようなものです。このため、設定を変えるだけで、いろいろな色の効果を楽しめます。
 しかし本来この機能は、撮影している場所の光を正しく選択することで、色を正しく再現するために使うものです。
 色がヘン、と感じたら、まずこのホワイトバランスの設定しなおしてください。たったこれだけで、たいていの場合に思い通りの色再現になるはずです。

※ホワイトバランスのPREは、実物の白紙などを使って、白の基準を設定する機能です。光源の種類を選ばず、正しい白を設定できます。使用説明書にしたがって操作してください。

電球照明では、「電球」に設定します。

 AWBに設定したまま、電球照明の下で撮影すると、橙色に偏って写ります。この橙色は多くのシーンで暖かさを演出しますので、決して不快な色ではありません。
 商品の撮影をしたり、記録用などとして色を正しく写したい場合には、ホワイトバランスを「電球」に設定するだけで、橙色が補正され、白が白に写ります。

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ホワイトバランスを「電球」に設定するだけで、

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電球照明のために橙色に偏るばあいは、

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白が白に正しく写ります。

曇りや日陰では、意外に青ざめて写るのです。

 曇天や日陰では、影の目立たない自然な写り方になりますので、ポートレートや自然の撮影などにも適しています。元は太陽光ですが、意外に青っぽさが強いのが特徴です。このため、AWBで撮影した場合、淡いピンクなどが白っぽく色褪せて写ったり、青ざめて写ったりすることがあります。
 こんな場合も、ホワイトバランスを「曇天」や「晴天日陰」に設定するだけで、自然なピンクで写ります。人物撮影や、花の撮影などに役立ててください。
 青味を消す効果は、「曇天」よりも「晴天日陰」の方が強いです。

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ホワイトバランスを「曇り」に設定するだけで、

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日陰で撮影したら、桜の色が少し青ざめて写りました。

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桜のピンクが自然に写りました。

寒色と暖色のニュアンスを使いましょう。

 赤っぽい色を暖色、青っぽい色を寒色ということがあります。橙〜赤味がかった色調に暖かさを感じ、青味がかった色調に涼しさ寒々しさを感じるからです。
 先に、電球の橙色が暖かさを演出すると書いたのも同じ意味です。
 つまり、実物の見え方はそれとして、写真の色を暖色や寒色に偏らせることで、イメージのニュアンスを変えることができます。表現効果を目的として、ホワイトバランスを使うわけです。
 実際の色とは違うからダメというのではなく、被写体の気持ちや撮影している時の気分を伝えるために、このような色のニュアンスを積極的に使ってみましょう。

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「太陽光」で撮影。自然な色です。

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「晴天日陰」にすると暖かみのあるニュアンスに。

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「電球」にすると寒々しいニュアンスになりました。

4.仕上がり設定を使いこなしましょう。

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 フィルムカメラの時代には、フィルムの種類によって色再現が異なるため、好みのフィルムを探すことも写真の楽しさの一つとされていました。たとえば、人物を撮影するのに適したフィルム、緑や青空を表現するのに適したフィルムなどがあったのです。
 このような微妙な色再現の違いを、デジタルカメラでも堪能するために搭載されているのが「仕上がり設定」機能です。

仕上がり設定を操作してみましょう。

「仕上がり設定」はメニューの中から選択します。通常は「標準」になっています。人物や花、町中の風景といった具合に、さまざまな被写体を撮影する場合には、このままにしておくのがよいでしょう。
 少し個性的な再現を求める時に設定を変更します。設定内容は「鮮やかに」「シャープに」「ソフトに」「人物きれい」「風景きれい」・・・など、直感的にわかるネーミングになっています。
 一枚だけ見てその効果がはっきりわかるような違いはありませんし、被写体の色などによって効果が目立たないこともあります。「標準」との比較撮影を行い、その効果を自分の目で確かめてください。微妙な違いだからこそ、こだわりたい部分でもあります。

※それぞれの設定は、「カスタム」で調整できる「輪郭強調」「階調補正」「カラー設定」「彩度設定」を目的別にうまく組み合わせたものです。ニコンのブラウザソフトで画像を表示し、データの記載項目から設定の詳細を読み取ることができます。

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「仕上がり設定」はメニューの中にあります。

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直感的に分かりやすいネーミングです。

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カスタム設定で、自分好みのテイストにもできます。

「人物きれい」は、健康的な肌色が特徴です。

「人物きれい」に設定すると、人物撮影に最適なカラー設定にすることで赤みが増して健康的な肌色になり、さらに輪郭を少し弱くして肌をなめらかに仕上げます。
 人物を撮影することが多い人は、このモードに設定しておくとよいでしょう。
 やや鮮やかさを抑えた表現になりますので、緑や青空などがくっきりした風景撮影や鮮やかな被写体の撮影には、あまり適しません。

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人物撮影に適した「人物きれい」

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「標準」で撮影したもの。

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「人物きれい」で撮影したもの。特に肌色に注目。

「鮮やかに」は、鮮やかさを増します。

「鮮やかに」に設定すると、色彩を強調するカラー設定になり、さらに彩度も強く表現します。このため、色彩がさらに鮮やかに写ります。
 色を強調したい時には、ぜひ使ってください。
 鮮やかさを強調しますので、人物撮影では肌色が不自然に感じることがあります。

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色彩を強調する「鮮やかに」

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「標準で撮影したもの。

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「鮮やかに」で撮影したもの。色の濁りがなくなりました。

最後に

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 デジタルカメラはボタン操作だけで色を自由自在に変えられるのです。ホワイトバランスや仕上がり設定という強力な機能を活かさない手はありません。

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