今年の4月に休刊になった月間・日本カメラの編集長は佐々木広人さん。確か、日本カメラとアウトドア用品メーカーとのタイアップ記事で、30代くらいの男性モデルが必要とのことで、当時営業部にいた佐々木さんを写真道場で撮影したことがあります。20年以上前じゃないかなぁ。

私が連載を始めた1992年頃の編集長は、河野 和典さんだったはず。もしかしたら、梶原高男さんの最後の方かもしれません。梶原さんとは何度か面識があるくらい。

この頃に連載の編集を担当してくださったのは、前田利明さんで、河野さんの後に編集長になられました。地震恐怖症で、ちょっとでも揺れたら、机の前からいなくなり、ビルの外にでてしまう。その間の記憶もなくなっているというくらい重度。その後が佐々木さんで、日本カメラはなくなってしまったわけです。

前田さんに引き合わせてくれたのは、北折智子さん。北折さんはフォトジャボン時代からのお付き合いで、多分、福武書店の社員さんだったのが、結婚を機にフリーになってフォトジャポン編集部で出入りしていたのです。高橋周平さんなど、みんなでお友達づきあいさせていただいていました。当時CAPAで暗室講座の連載をしていたのを、北折さんはもとより前田さんもご存じだったはずで、なので最初から、何か面白い企画はありませんかねぇ、という話になって、「写真マニアの密かな愉しみ」を考えたのです。有名写真家の作品を真似て、写真についての考察を深める、という内容。自分でやりたくて始めて、なんの指示や変更もなく、勝手気ままにやらせていただきました。日本カメラに関係する写真家先生たちのウケはよかったみたいで、後に玉内公一さんにお会いした時には「風通しがよくなる記事で毎回楽しみにしていますよー」なんていわれて、いい気分になったものです。

ところで、日本カメラ編集長。

梶原さんの前は、藤田直道さんだったみたい。直道は、なおみち、のはずですが、ちょくどう、ちょくどう、と呼び捨てにしていました。もちろん学生同士の間だけですが。そのくらい、アクが強くも愛されていたのでしょう。2001年に東京綜合写真専門学校の校長にもなられていますね。私が学校にいっていたのは、1984~5年で、重森弘淹さんはご健在。卒論も読んでいただき、一言ふた言面接でお話した覚えがありますが、まあ、雲の上の存在でしたねぇ。この時代の学校の少し前の暗室の先生が藤田直道さんだったそうで、私の時代は藤田さんの薫陶を受けた矢野さんの時代。

矢野さんも結構キツい人で、プリントのテストピースを見せるたび、ちいさな細い声で「おまえ、なにやってだよぉ。だめだろう、こんなの~。なめんなよ~」とかいいながら、「お前の人格を悪く言ってんじゃないかならな。プリントが悪いことを言っているだけだからな~」なんて、今じゃパワハラそのものな陰湿な物言いで知られていました。矢野さん曰く、「俺なんかやさしいほうだ。直道先生の時は、現像液を服にぶちかけはらたりしてたからなー」と。体育会系な時代だったのですねぇ。

今じゃ考えられんですが、こういうので「鍛え上げられた」というのもないことはないと思います。なんだかんだ言って、世の中不条理なことが少なくありませんから、学生の時にこういう鍛練を受けておくのも無駄にはなりません。むろん、いいというつもりはありませんが・・。

編集長、藤田直道さんの前は、もう未知の領域。なので、前田さんが編集長になって以降、私の編集担当をしてくださっていた中島さんに先日、facebook経由で、歴代編集長を尋ねてみました。

というのも、ネット情報は皆無。日本カメラ編集部のwebサイトももうなくなっています。こうやって、歴史は闇の中に埋もれていくのか、と一抹の寂しさを覚えながら、以下、中島さん情報。

初代編集長は、樋口さん(日本カメラの二代目社長)の父。次は写真家・濱谷浩さんの弟である田中雅夫さん。そして、俳優の天知茂のお兄さんである黒川清さん、写真家の佐藤正治さんときて、その次にどなたかいたかもしれないけれども、藤田直道さんへと続く、と。

戦後まもない1948年10月に「アマチュア写真叢書」を創刊。1950年3月に「日本カメラ」と改題して、70年以上。それぞれの時代背景の中で、一人一人の編集長がそれぞれ個性を出しながら紡がれてきた雑誌ですが、これほどあっさり、記憶も記録もなくなっていくものかと思うと、まことに諸行無常を感じます。

2カ月くらい前に、佐々木さんから、会社の同志3人で新会社を設立しましたという案内状が届きました。旧・日本カメラのwebサイトの保守運営もやりながら、写真関係の情報を発信する仕事をするのだそう。頑張っていただきたいものです。

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