ここでは、商品撮影の背景と、カメラをセットする三脚の選び方を簡単に紹介します。
▼▼背景の選び方 |
商品写真で一番大切なのは、なんといっても当の商品の写り方です。しかし、四角い写真にスッポリと商品だけが写るということは滅多にありません。商品以外の何かが写ります。商品以外の何か。つまり背景となる部分に注目してみましょう。摩訶不思議なことに、背景を工夫して撮影するだけで、商品自体の見え方がずいぶん変わってきます。
▼ステップ1・見せたい部分だけを写す。 |
上の写真の画面に写っているのは、大理石の台の上に置かれたジュースのパックとグラスに入ったジュースです。さて、この写真はどのような状況で撮影されたと思いますか? 答えは、下の写真。 小汚い木製の机の上に、大理石模様の紙(!) を敷き、その上にジュースなどをおいて撮影しているのです。照明は左上の蛍光灯RIFA(リファー)のみ。
画面右側に写っているのはレフ板です。(レフ板の作り方、使い方は次回に紹介します。) どう思われますか?
なんか嫌らしいといいますか、詐欺みたいでしょう?
でも、これが商品写真の本質の一つです。 種明かし・・・
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上の写真をそれぞれ見比べた時の印象を簡単に書いてみましょう。 a/机の木目と壁が背景になっています。ついでに電気製品のコードも写っているのがわかりま す。こうした背景からは、日常の現実感が思い起こされます。ただの牛乳。いや、ただでは なくて138円でしたが、ともかくも印象はあまり良くありません。 b/白バックです。白=牛乳の色=清潔感、といった連想が働きませんか? それと同時に余分 な背景が写っていないだけ、牛乳パックに注意が向かいます。 c/背景にグラデーションがあって暗くなっています。奥行きを感じませんか? bよりも牛乳 パックの形や文字が浮き立って見えますね。
▼ステップ3・背景のセット方法。 |
撮影状況a |
撮影状況b |
撮影状況c |
▼ステップ4・バック紙やグラデーションペーパーってどこで買うの? |
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単色の色紙(ラシャ紙やケント紙など)は、文具店で入手できます。B−0(約1×1.5m)、B−1(B−0の半分)などの大きさがあります。 |
写真撮影用のグラデーションペーパー。季節や商品に合ったカラーを揃えておくと便利です。 | |
撥水加工されていますので、氷や水を使った撮影も可能です。 | |
SDの伊藤さんが撮影したものです。 |
グラデーションペーパーは、写真撮影用に作られたものがお勧めです。プラスチックのような素材でできていますから、目立つ傷や汚れさえつけなければ、長期使用にも耐えられます。また、表面は撥水加工もされており、水を扱った撮影でも安心です。上記の色紙と同じで、B−0やB−1サイズがあります。
大きな商品を撮影する際に使うロール紙。 ある程度大きな商品を撮影するとなると、それなりの大きさのバック紙が必要になります。衣装などを撮影するなら、上の写真のようなロール状(幅1.32×長さ11m)のバック紙を使うとよいでしょう。ロール状ですので、少しずつ繰り出して、汚れてきたらその部分をカットして使います。色にはある程度のバリエーションがありますから、必要や目的に合わせて購入してください。
▼▼三脚の選び方 |
三脚は、丈夫でがたつきがなく、ある程度の重さがあるものの方が、カメラをより安定してセットできます。しかし、理想を求めれば求めるほど、高価になります。 いたしかたありませんね。
ただ、多くの方が使われているコンパクトタイプのデジタルカメラであれば、そんなに立派な三脚でなくても、大丈夫です。 価格帯でいうなら、5000円ていどのもので十分でしょう。購入時の注目点をイラストで示します。予算の都合に合わせてお求めになってください。
●雲台(うんだい) カメラ位置を微妙に調整できる「2ウェイ」、または「3ウェイ」と呼ばれるタイプがおすすめです。2ウェイはレバーが1本。3ウェイはレバーが2本あります。イラストは3ウェイタイプです。 ●エレベーター 安価な三脚にはついていないタイプもありますが、三脚の「脚」の部分はそのままでカメラの高さの調整ができるので便利です。 |
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●三脚部 結局は慣れの問題ですが、操作性がよさそうなものを選んでください。実物を触れるならしっかりしているタイプを選択します。 ●全高 三脚とエレベーターを最大に伸ばした高さを全高といい、1.5m程度(カメラを胸の位置にセットできる高さ)は欲しいところです。 |