1998年の日本カメラ連載。『写真道楽必携』。タイトルは、上野彦馬翁の舎密局必携のトビラ(右写真参照)をもじったのです。サブタイトルは「写真を撮りたい人のためのスーパー写真術講座」で、初回のタイトル上に「大型新連載」とあって、カラー4ページを自由に使わせていただきました。

1998年に Windows98が登場してしましたが、私はワープロを使っていました。富士通の親指シフト。このキーボードのせいもあって、PCにもインターネットにも、ずいぶん乗り遅れました。それでも写真はまだまだフィルムが主流で、この連載にはデジタルのデの字もでてきません。

古い時代の写真の話、レンズと数学の話、光と色の仕組みなどなど、写真を支える周辺の(あんまり実用的ではない)学術的な分野の紹介もしながら、趣味を通り越して「道楽」として写真を楽しもうっていう企画です。書き手としては、知識として知っていることを、実際に試しながら確認していくようなところがあり、タイトル文字やイラストも自分で描いたりして、ほんとうに好き勝手に楽しませていただいた連載です。

写真はデジタルに変わりましたが、光も色も、カメラの仕組みも、基本は今と変わりませんから、これらを一通り読めば、写真撮影の自由度はさらに高くなるでしょう。

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