多摩大学附属聖ヶ丘中学の先生から、『A知深Q』と呼ばれる夏期講座で写真の講座をやってもらえないかと相談を受けたのは4月の終わりごろでした。5月6月と、何回か打ち合わせをして、次のような4回講座を実施することに決定。7月下旬に開催しました。のご報告。

1日目・・・スマホで3倍きれいに撮る! 写る!

2日目・・・写真スタジオで撮影&モデル体験

3日目・・・鶏卵紙を使って写真を作ろう!

4日目・・・ 額装して写真を飾ろう! & まとめづくり

1回90分とはいえ「写真」を学ぶフルコースです。が、今どきの中学生はどんな感じなのか、そもそも中学校に足を踏み入れるのは50年ほど前になるわけですし、私立なんて足を踏み入れたことがない未開の地。さてはて、どうなりますやら・・・。

 

1日目・スマホで写真を撮るコツを学ぼう!

集まったのは、12人の中学生。女子の方がちょっと多いかな。「初めての先生には猫をかぶってますからねー」といわれていて、確かに始めはおとなしく話を聞いていたのですが、撮影実習になるとてんやわんやの大騒ぎ。鏡に写る自分たちを撮影したり、水飲み機から飛び出る放物線の水越しに撮影したり、我々はもう思いもしないことをするのでびっくり。やっぱ、あたらしい頭はいいですね。

2日目・写真道場でスタジオ体験だ!

2日目はみなさん遠路はるばる写真道場にやってきてくださって、スタジオ撮影体験をしました。最初に、古い木製の4×5カメラと牛乳パックを使ったカメラオブスキュラで、「暗箱」の説明。次は一人ずつ、大型ストロボ照明でジャンプ写真に挑戦。でもって、最後はLED照明を使った、みんなのスマホで撮りあいっこ。徐々に緊張もほぐれてきて、みなさんモデル気分全開でしたねぇ。

3日目・鶏卵紙で写真を作ろう!

3日目は中学の科学実験室を使って、「鶏卵紙」作成に挑戦。ネガは、前回提出してもらった写真データから作成しておきました。卵を割ったことがない、とか、アイロンを使ったことがない、とか。まだまだ人生始めたばっかりの人たちって、未経験なことが多いのね。卵白の液を紙に塗りましょうっていってたら、紙からはみ出すようにベタベタ塗って、乾燥したら机に貼りついたりで、まあ、思いもつかない失敗の連続。まあ、私もぜんぜん上手くできませんでしたが。ちょっと時間が足りなかったけれど、粘り強く何回もチャレンジした人たちはすごくきれいなのができました。

4日目・まとめ

4日目は、鶏卵紙の額装とまとめ作成。額を持ってきなさいっていうのに、持ってきた人は3人くらい。「これが中学生ですよ」らしく、まあ自分の中学のころを思い出したらもっとひどかったかもねぇ。それでも皆さん、講座の内容を上手くまとめてくださいました。ありがとう。

ちなみに、最後にとったアンケートを見せてもらったら、中に「長生きしてください」ってのがありまして、まあね、50歳の差がありますもんね。昭和なら孫の世代なわけですよ。

 

余談

本企画をお声掛けしていたいだいた多摩大聖ヶ丘中学の有江先生は、写真道場のお客さん。いや、ただのお客さんではなくて、先生がまだ2歳になるかならないか、というころから毎年、家族写真を撮影させていただいていたのです。もちろん、七五三に入園入学、成人、折々の証明写真なども。そして月日は流れてほぼ30年。その子が大きくなって、中学校の先生になって「写真道場にぜひお願いしたい」と連絡をくださったのですよ。ね。いい話。写真館冥利につきるとはまさにこのことです。ありがとう、ありがとう。